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2021年04月19日
ウワサのキャンプ飯ビア缶チキンを畑で作って食べてみた!
最近、流行ってますよねキャンプ。一人キャンプとか楽しそうですよね。
その中で新たな定番キャンプめしとして注目されているのが「ビア缶チキン」なるメニュー。ぜひ、食べてみたい!
しかしながら、キャンプに対しては、個人的にさほど前のめりになれません。「楽しそうだけど色々と面倒そう。特に道具とか」というのが正直な思いです。「どうにかビア缶チキンだけ作って食べられないものか?」と思っていたところ、知人から「畑で採れた芋で焼き芋を作る」との連絡が。すかさず「ビア缶チキン作らせて!」と便乗して、話題のキャンプめしを味わってきました。
ビア缶チキンというインパクトありすぎメニュー
ことの発端は何となく見ていたキャンプ関連の動画に登場した「丸鶏チキンのお尻にビール缶を突っ込んで焼く」という料理です。
「鬼畜の所業だな。でも美味しそう」と思ったのがきっかけ。
この悪魔のようなメニュー。ググってみると「ビア缶チキン」という名前で作り方も意外と簡単っぽい。
ビア缶チキンを構成する要素は、焚き火と丸鶏、焼き網、そしてビール缶。
焚き火用の薪や焼き網は知り合いが手配してくれるので僕が準備するのは丸鶏とビール缶と調味料だけ。
あと、蒸し焼きにするときにバケツがあると便利らしい。
アルミホイルでも代用可能みたいだけど、ホムセンに用事があったので、ついでにバケツ買いました。
ちなみに丸鶏はスーパーで取り置きしてもらいました。
日常の食卓ではあまり見かけない丸鶏ですが、パーツや内臓を売っているお店やお肉屋さんなら普通に手に入ります。お値段は国産鶏で1700円くらいでした。
畑でビア缶チキン焼いてみた
というワケで、中略。いきなり現場の畑に到着!
まずは火床になる場所に穴を掘り、火を起こして準備は完了!
と思ったら焼き網がないらしい。話が違う!
いきなり問題発生ですが、なぜか畑にブロックがあったので、穴を掘ってブロックで囲んで簡易式のかまどを急造。
その中に火を移し、たまたま持ってきていたフライパンで調理することにしました。
次に鶏側の下ごしらえ。丸鶏にスパイスを練り込みます。
鶏の表面に竹串でズブズブと穴を空けて、そこにスパイスをグリグリ。
今回は、このマキシマムというキャンパー御用達(らしい)スパイスを使いました。
ただ、ハーブ塩的なものなら何でもいいと思います。
なお、Amazonで買いました。さすがAmazon、好き者ライターの心強い味方です!
さて、この丸鶏。改めて対面すると、やっぱりデカい。
スパイスを練り込むのも調理というより、もはやマッサージ。
スパイスを表裏に塗りたくったら、次の工程。
缶ビールに丸鶏を、ぶっ刺します。
スタンドにビール缶をセットし、そこに丸鶏を…って痛、痛、痛、痛。
料理の中でもかなりサディスティックな部類ですね。やっぱり。
何とか、セット完了しました。あ、ちなみにビール缶は中身が入ったままでOKです。
そうそう、唐突に登場したビア缶スタンド。これもビア缶チキンを作る際の必須アイテム。
こういう他に用途のない道具ってちょっと憧れますよね。カミさんには怒られるんだけど。
これもAmazonで買いました。本当になんでも売ってる。心強すぎる!
というワケで急造のかまどにフライパン。その上にビア缶スタンド、そして丸鶏。
ビア缶チキンの調理開始
ちなみにビア缶チキンは上になる首部分から蒸気が抜けないように縛るらしいのですが。今回は横着して竹串で止めました。
そしてバケツでフタ。これにて準備完了!
なのですが、はたから見ると完全に悪ふざけですね、このビジュアル。
かまどに火を入れ、弱火でじわじわと蒸し焼きにしていきます。
こういう料理が失敗する原因の8割は火が強すぎること。とりあえず弱火にしておけば、時間はかかるがまず失敗しない。はず。
途中で火を足したりフタを取って鶏の様子を見たりしながら調理。
最初こそ忙しいものの、いったん調理が始まってしまうと、気を配るべきは火の管理くらい。
30分ほど経つとビールが沸騰するのかジュージューと音がしてきます。
とはいっても特にやることもなくボーっと火を眺めながら時間が過ぎていきます。
キャンプとか焚き火って、こういう何もなく火を見ているだけの時間こそが、むしろメインコンテンツなんですね。きっと。
とかなんとか言い訳して、特に何も起こらない時間をやりすごします。
1時間ちょっと経ったので、竹串を刺して中の状態を確認。
竹串を刺して赤い汁が出たらまだ生焼け。透明な汁が出たら焼き上がり的なヤツ。あれです。
70分くらいの時点で肉汁は透明だったんですが、念のためさらに10分焼いて、完成。
畑で突如開催される丸鶏の解体ショー
フライパンを火から下ろしてしばし放置。熱くて触れません。
少し冷まして、さあ食べるぞー……と思ったんですが、大きな問題が一つ。
鶏のさばき方……わかりません……。
まぁ成せば成る。まずは足をもってグリグリと逆関節を極め、関節を外して解体。
なんか途中、引っ掛かった腱とか筋は無理矢理外しました。ワイルド!
そして露わになった鶏の足。パッと見るかぎり肉の部分には火が通ってます。
関節部分はやや生っぽい気もしますが。
まぁいけるだろってことで、とりあえず焼けた部分に野性的にかぶりついてみます。
「……めっちゃくちゃ美味い!!」
皮はシットリとしていて、身はジューシー。たぶん今まで食べた鶏肉で一番ジューシーでした。
全くカットせず肉汁の逃げ場がない状態で蒸し焼きにしているからだと思います。
大成功。逆に申し訳ないくらいの大成功です。
ビア缶チキンの美味しさを確証したところで、引き続き解体というか解剖作業。
手羽の部分もグリグリと回して関節を外します。
次に包丁で胸肉を切除。すると胸肉の下にキレイに引きはがせる長細い肉の塊を発見。
そう。ササミです。
ササミは胸肉の下にある部位。知識として頭にあっても、実際に見ると「ササミってこんなとこにホンマにあったんか」と、ちょっと感動します。
ちなみにササミは体の中心に近いからか半生でした。
丸鶏から、もも肉2枚、胸肉2枚、ササミ2本、手羽2本を切り分けます。
あとは首のせせりなどがあるんですが、僕の解体技術ではきちんと精肉できず、強引にむしり取りました。
「どうせバラすんなら丸鶏で焼く必要なくない?」は禁句。
こういう料理はあくまでも過程を楽しむものなんです。たぶん。
そうそう。背中にある薬研(やげん)軟骨もそのまま取ってちゃんと食べました。
かつてビア缶チキンだったものはこの通り解体されました。
火の通りが若干甘かった部分もあるので、フライパンで改めて加熱。
缶の中に残っていたビールと一緒に炒めました。
あらためていただきます
美味しそうに焼きあがりました。
ほかの参加者にも食べてもらいましたが概ね好評。
ちなみに、もも肉に次いで美味しかったのが胸肉。
胸肉といえばパサパサするイメージもありますが、ビア缶チキンのそれはむしろジューシーでした!
仕込みを含めると約3時間を要したビア缶チキン。しかし、食べるのは一瞬。10分足らずでたいらげてしまいました。
ビア缶チキンからの鶏ガラスープラーメン
残ったのは大量の鶏ガラ。そのまま捨てるのはもったいない。
フライパンにお湯を沸かし鶏ガラを投入。
グラグラと煮込んでダシをとり、そこにインスタントラーメンを追加。
そう、シメの「ビア缶チキンラーメン」です。
「これでもか!」と鶏のダシが染み出したスープとラーメン。
アウトドアのシチュエーションも相まって、メッチャ美味かったです。
ちなみに、肉を食べ尽くしてダシも取った残りの鶏ガラは畑に埋めていいということでしたので、焚き火に投入。最終的に肥料の一部となってエコロジー。ひとつの無駄もない、サイコーの体験でした。