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2020年06月22日
ボウリングでカーブボールをキメたい!
ボウリングでカーブを投げる。いかにも玄人という感じでかっこいい。
自分もやったろうと手首をひねってみたりしたが、曲がらない。曲がる気配すらない。
我流では無理だと悟り、プロに教えを請うことにした。そしたら、1時間でカーブボールを完全にマスターすることができたのだ。
※2020年2月に取材したものです。
プロボウラー直伝!「サムレス投法」のカーブボール
東京・田町のボウリング場「東京ポートボウル」にやってきた。ちなみに、同じビルの地下にはかつて、あの「ジュリアナ東京」があったという。テンテンテン、テッテッテ、テンテンテン〜。
それはともかく、今回指導を仰ぐのは木田大輔さん。「東京ポートボウル」に所属するプロボウラーだ。
どうして僕のボールは曲がらないんですか?
そもそも、カーブをかけるには大きな横回転が必要です。しかし、小野さんのように手首をひねる投げ方では、さほどの回転は加えられない。曲がらないだけでなく、手首を痛めてしまう危険性もあるんですよ。
え、手首は関係ないんですか!? では、どうやって投げれば?
まずは、ボールの持ち方です。
そこからか・・・。
ボールは身体の右寄りに持ち、高さは胸の位置に構えます。そして、中指と薬指は第一関節までしっかりと穴に入れ、親指は抜きます。
親指入れないの? なんか不安定なんですけど。
はい。これを「サムレス投法」と呼びます。本来、カーブボールは親指から順番に抜いていくことで回転を生み出すのですが、サムレス投法は最初から親指を抜いているため、回転をかけやすいんです。「手首に負荷がかかる」や「コントロールしにくい」などのデメリットはあるものの、初心者でも簡単にカーブを投げることができますよ。
サムレス投法・・・。名前もイカすし、手首に負担がかかるというのも諸刃の剣っぽくてかっこいいですね。
そうですね。慣れてくれば、すぐに思い通りのコースにカーブが投げられると思います。
また、ボールは手のひらで包むように持ちます。しかし、親指を抜いたまま、いつものようなバックスイングをしてしまうと、床にボールが落ちてしまいますよね? そのため、カーブを投げる際はしっかりとボールの下に手を入れることがポイントです。
ボールを下から支える感じですか?
そうですね。そして投げ方ですが、向かい合った相手に差し出すように、手のひらからボールを送り出すイメージで投じてください。そうすれば、綺麗な横回転がかかりますよ。
最後のポイントが、投げる方向です。ストレートボールを投げる際の親指の向きは12時の方向ですよね。それに対し、カーブボールは親指の向きを10時の方向に向けて投げます。へんに手首をひねったりせず、そのまま振り子のように投げてみましょう。
ちなみに、ピンのどのあたりを狙えばいいですか?
右投げの方がストライクを狙う場合は、ポケット(1番ピンと3番ピンの間)を狙ってください。
そこはストレートと一緒なんですね。では、なぜ人はカーブを投げるんですか? やっぱり、かっこいいからですか?
いえ、違いますよ。シンプルに、ストレートよりカーブの方がストライクを取りやすいからです。というのも、ポケットに対し3度〜6度の角度でボールを入れると、ストライクの確率はグンと上がります。ストレートだと右端から投げても1度ほどしか角度がつけられませんので、角度をつける=ストライクの確率を上げるために人はカーブを投げるんです。スコアを高くしたいなら、カーブの習得は必須ですよ。
なるほど。スコアも上がって、しかもかっこいい(しつこい)んだから覚えない手はないですね。
なお、ボウリング場に置いてあるボール(ハウスボール)は油に弱い素材「ウレタン」で作られています。そのため、レーンに塗布してあるオイルに滑りやすく、あまり回転しないんです。理想のカーブを習得したければ、マイボールを持つのがオススメですね。ほとんどのボウリング場には「お試しマイボール」が置いてあるので、ぜひ試してみてください。
「お試しマイボール」。テレ東の深夜番組みたいな語感だ。
さっそく、投げてみましょうか?
え、もうですか? 説明を聞いただけで、そんな簡単に曲がるわけ・・・
おぉ〜!! いきなり曲がりましたね!!
はい、曲がってしまいましたね。もしや・・・天才?
冗談はさておき、こんな簡単にボールって曲がるんですね。下から支えることと、10時の方向を意識しただけですよ?
それこそ、サムレス投法の特徴です。親指が穴に入っていたら、ここまで回転せず曲がらないんですよ。ただ、今回は曲がりすぎてピンに当たらなかったですね。もう半歩ほど左に立って、レーンの右端のほうにボールを放すイメージで投げてみましょうか。
うわ〜、めっちゃ気持ちいいです。立ち位置を変えたら端に投げやすくなりました。
ボールの曲がり方によって、立ち位置を変えることも重要なポイントです。というのも、レーンのオイルというのは、真ん中あたりにしか塗られていないんです。繰り返しになりますが、オイルの部分は滑りやすく、摩擦が発生しづらい。ゆえに、回転がかからずに曲がらない。
一方で、レーンの端は中央付近に比べて、オイルの塗りが薄いんですよ。つまり、端に投げることで、オイルの抵抗を最小限に抑えられます。だから、みんな端を通して、レーンの奥のほうで曲がるようにコントロールしている。プロのカーブボールも、奥で曲がるイメージがありませんか?
そういえば、そうですね。
とはいえ、レーンによってオイルの状況は違いますし、投げ続けているうちにコンディションも変わっていきます。ボウリングとは、その変化に合わせて投げ方やボールを変えていく競技なんです。
思っていたよりも奥が深いんですね・・・。これはハマっちゃうなあ。よし! 端を狙って、さらに投げこんでいこう!
せ、先生。端に投げたいんですけど、ボールが重くてコントロールが効きません。
重いボールの方がピンは倒れやすいです。しかし、ストライクをとるためにはコントロールやスピードも重要ですから、カーブを投げる際はいつもより2ポンドほど軽いボールを使ってみてもいいかもしれませんね。
おう〜!! こっちの方が断然投げやすいです!! というか、先生のいいなりになっているだけでめきめき上達するんですけど。どんだけ名コーチなんですか!
疲れが出てきたのか、ボールを支えきれずに手首が折れていますね。そうなると力が入れられず、回転もかかりません。ちなみに、マイボウラーの方々が「リストタイ」をしているのは、手首を固められるからなんですよ。
あのグローブにはそんな意味があったのか!(かっこいいからじゃなかったのか・・・)
でも、今日は用意していないので「ダブルハンド投法」に挑戦してみますか?
ダ、ダブルハンド投法!?
その名の通り、ボールを両手で抱えたまま投球するスタイルです。サムレス投法と同様、ボールの穴には中指と薬指のみ入れて投げていきます。ちなみに、私も試合では主にダブルハンド投法を使用していますよ。だから、私のマイボールには親指を入れる穴が空いてないんですよ。
左手で支えられ、かつ、ボールの下にしっかりと手を入れられるため、高回転が生まれるんです。簡単そうですが、じつは難しい投げ方なんですよ。どうします? 挑戦しますか?
師匠・・・おれ、やりたいっす!
できた! ストライクはとれなかったけど、できました!
おぉ〜素晴らしいですね!! すぐにできるのは、才能がある証拠ですよ!
ボールも曲げられるようになったし褒められるし、最高だな〜。
*
というわけで、念願のカーブボールを習得した。正直、1時間のレッスンでここまで投げられるようになるとは思わなかった。この原稿を書いている今はコロナ真っ只中でボウリング場に行きづらい状況だけど、シャドウボウリングでフォームをしっかり固めておきたい。
とりあえず、マイボールは前向きに検討しよう。
【取材協力】
東京ポートボウル
教え方がめちゃめちゃうまい木田大輔プロのオフィシャルブログ
https://blog.rankseeker.net/kidadaisuke/
今回の「やりたいこと」にかかった金額
レーン使用料(3540円×1時間×2レーン) | 7080円 |
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予約料 (1000円×2レーン) | 2000円 |
貸靴 | 400円 |
レッスン料 | 4000円 |
13480円 |
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